65歳定年後にもらう失業保険【高年齢求職者給付金】のポイント

高年齢求職者給付金とは、65歳以降に退職した人に対して、いわゆる失業手当の代わりに給付されるお金のことなんですね。

この給付金は、65歳以降に再就職した場合でも、条件を満たしていれば何度でも受けとることができます。

因みに条件というのは、次の3つになります。

 1.退職した時に65歳以上で、雇用保険に加入していること
 2.退職前の1年間に、通算して6か月以上雇用保険に加入していること
 3.失業状態であること

この3つ、すべて満たしている必要があります。

会社員であれば、長年、雇用保険料を納めているわけですから、せっかく納めてきた雇用保険で損をしないように大事なポイントは抑えておきたいですよね。

そこで今回は、下記の3点について解説したいと思います

 1番目 高年齢求職者給付金は少ない?
2番目 高年齢求職者給付金は年金と同時にもらえる?
 3番目 高年齢求職者給付金は、具体的にいくらもらえる?

それでは早速、始めましょう。

1番目 高年齢求職者給付金は失業手当より少ない?

その前に、高年齢求職者給付金と失業手当(基本手当)の違いについて簡単にまとめると、下記の通りです。

65歳前に退職した場合は失業手当(基本手当)を受け取るということになっていて、65歳以降に退職した場合は高年齢求職者給付金を受け取るという事なんですね。

つまり、退職する時の年齢によって、受取るお金の種類が変わってくる、ということです。

そして、受取るお金の種類が変わってくると、受給できる金額も変わってくるんですね。

はっきり言って高年齢求職者給付金の受給金額は、失業手当(基本手当)よりも金額がかなり少ないです。

で、それぞれの金額は、このように決められています。

まず失業手当(基本手当)の方ですが、雇用保険に加入していた期間が1年以上10年未満なら支給される額は基本手当日額x90日分で、10年以上20年未満なら支給される額は基本手当日額x120日分で、20年以上なら支給される額は、基本手当日額x150日分となっているんですね。

なお、この表は定年退職、もしくは自己都合退職した場合の例になります。

一方、高年齢求職者給付金の方は、雇用保険をかけていた期間が6か月以上1年未満なら支給される額は、基本手当日額x30日分で、1年以上なら支給される額は、基本手当日額x50日分ということになっているんですね。。

因みに基本手当日額とは、1日あたりもらえる失業手当の額、もしくは高年齢求職者給付金の額というとになります。

どうでしょうか。

失業手当(基本手当)の方が圧倒的に金額が多いということが分かりますよね。

なので、もし65歳前後の退職を考えているのであれば、65歳になる前に退職して失業手当を受け取る選択を目指した方がお得ということになります。

なお、「65歳になる前に」ですが、正確には65歳の誕生日の前々日までに退職する必要があります。

とは言え、退職時期を決める条件は、雇用保険の支給額だけではありませんよね。

なぜかと言うと、1ヶ月早く退職すれば、1ヶ月分の給料がもらえないことになりますし、会社によっては、退職日を早めることで、賞与が受け取れなかったり、あるいは退職金が大きく減ってしまう、ということケースもあるからです。

ですから考え方としては、何が何でも65歳前に退職しなくて!というのではなくて、お勤め先の会社の規定をしっかり確認して、総合的に考えて後で後悔しないようにご判断すべきと思います。

なお、具体的な金額について、後ほど計算例をあげて説明しますね。

ところで受給方法ですが、失業手当の方は分割受け取りになっているのに対し、こちらの高年齢求職者給付金の方は、一括受け取りというスタイルになっています。

で、分割受け取りですが、初回振込がおよそ15~22日分の支給になり、2回目以降は原則 4週ごとに失業認定を受けた後に支給されるということになっています。

2番目 高年齢求職者給付金と年金は同時にもらえる?

ということですが、高年齢求職者給付金と年金は同時に受給できる、ということになっています。

ですから高年齢求職者給付金を受け取っても、年金は支給停止されない!ということなんですね。

但し、失業手当(基本手当)と65歳前に受け取る年金は同時に受給できない!ということになっていますので、ご注意ください。

例えば、特別支給の老齢厚生年金、これはある特定の生年月日の方が 65歳になる前に受け取ることができる老齢厚生年金ですが、この年金を受給中の方が失業手当(基本手当)の申請をすると特別支給の老齢厚生年金は支給停止される、ということになるんですね。

具体的には、求職の申し込みをした月の翌月から特別支給の老齢厚生年金は支給停止されます。

但しこの時に、特別支給の老齢厚生年金と失業手当のいずれか高いほうを選択することは可能です。

ところで、失業手当(基本手当)を受け取っても、年金が支給停止されない方法がある、ということをご存じでしょうか。

それは、65歳の誕生日の前々日までに退職して、65歳になってからハローワークで求職の申し込みをする、という方法です。

この方法だと、65歳以降に失業手当(基本手当)を受給することになるので、失業手当(基本手当)を受け取っても、65歳以降に受給する年金は支給停止にならない、ということなんですね。

但し、失業保険の受給期間は、退職日の翌日から原則1年間、となっていますので、あまり早く退職して65歳まで待っていると、失業手当を受給できない期間が出てくる可能性がありますので、ご注意ください。

では、繰上げ受給を選択した場合はどうでしょうか。

つまり繰上げ受給を選択して、60代前半で年金を受給している人が失業手当を申請するとどうなるのか?ということですが、その場合は、繰上げ受給した老齢厚生年金は支給停止になるんですね。

まとめると、このようになります。

・特別支給の老齢厚生年金と失業手当(基本手当)は、同時に受給できない

・繰上げで60代前半に受け取る年金と失業手当(基本手当)は同時に受給できない

・65歳以降に受け取る年金と失業手当(基本手当)は同時に受給できる

・65歳以降に受け取る年金と高年齢求職者給付金は同時に受給できる

3番目 高年齢求職者給付金は具体的にいくらもらえるの?

ここでは、高年齢求職者給付金の具体的な金額の出し方について解説したいとおもいます。

高年齢求職者給付金の受給金額の計算方法は、基本手当日額さえ分かれば計算できます。

この基本手当日額は、もし今お手元に、雇用保険受給資格者証をお持ちの方はすぐに確認できます。

では、雇用保険受給資格者証をお持ちでない場合はどうすればいいのでしょうか。

その場合はちょっと面倒ですが、次の手順で計算する必要があります。

つまり、まず最初に賃金日額というものを出して、それをもとに基本手当日額を計算し、最後に高年齢求職者給付金を計算するということですね。

ここから先は、具体例を見ながら一緒に計算してみましょう。

例えば、このような人がいたとします。

・現在65歳で求職中
・雇用保険加入期間は1年以上
・退職前6ヶ月の給与は月額40万円

ということですね。

まず賃金日額を出すわけですが、計算方法は、賃金日額=退職前6ヶ月の給与の総額÷180、で計算します。

なおここで言う給与ですが、社会保険料や税金などを差し引く前の額面上の金額のことで、ボーナスは含まず、業代、通勤手当、住宅手当など各種手当は含まれるということになります。

計算すると、このようになります。

賃金日額=(40万円×6ヶ月)÷180=13,333円(*1円未満切り捨て)

これで賃金日額が分かりました。

ところで賃金日額にも、なんと上限額・下限額が設定さているんですね。

なのでもし、計算した賃金日額が上限額や下限額を超える場合は、上限額、あるいは下限額で計算するようにしてください。

では次に、基本手当日額を出してみましょう。

基本手当日額の計算式は、基本手当日額=賃金日額×給付率、このようになっています。

給付率ですが、これは動画で解説している表を参照してください。

今回の例ですと、給付率は50%で計算します。

で、計算すると、このようになります。

基本手当日額=13,333円x50%=6,666円

これで基本手当日額が分かりました。

最後に高年齢求職者給付金の額を出して終わりです。

あとちょっとですので、頑張りましょう。

この人は雇用保険加入期間は1年以上でしたよね。

なので、支給される額は、基本手当日額×50日、この式に当てはめて計算するとこうなります。

高年齢求職者給付金=6,666円x50日=333,300円

これでやっと金額が計算できました。

お疲れ様でした。

なお、給付率が50%~80%の場合の基本手当日額はは、以下の計算式で計算することになっています。

基本手当日額=0.8×賃金日額-0.3×(賃金日額-4,970)÷7,270×賃金日額

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